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中期経営計画のトレンドについて考えてみる(ESG投資とSDGs)

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みなさん、こんにちは。

本日は、よく会社のIR情報で見かける中期経営計画について考えてみたいと思います。

この記事を読むことで、中期経営計画の重要性や、会社のIR情報について理解が深まるかと思います。

よかったら、最後まで読んでみてくださいね。

 

 

中期経営計画とは

中期経営計画とは、企業が中期的に目指す、あるべき姿と現状とのギャップを埋めるための計画。明確な定義はないが、3~5年程度の中期を指すことが多い。

 

中期経営計画は、5~10年を念頭に設定された経営ビジョンを実現するために、中期(3~5年)でやっておくべきことを明確にしたものである。売上や利益目標、ROEなどの定量的な数値で、課題も具体的かつ明確なものが多い

 出典:グロービス経営大学院 ホームページより

中期経営計画は、決算短信などで開示される翌年の見込み数値とは違い、1年というスパンよりも長い3年~5年の長い期間をかけて達成される目標になります。

参考例に、㈱良品計画が公表している中期経営計画のリンクを貼っておきます。

ryohin-keikaku.jp

 

中期経営計画には、主に売上高目標や利益目標、ROI,ROICなどの効率性指標を加えて公表されていたりします。

 

中期経営計画の最近の変化

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前のセクションで説明したような、単純な3カ年計画などが多かった印象でしたが、

最近では会社は10年後や20年後の長期的なビジョンを掲げて、その長期スパンの中の3年間として建てるような印象があります。

 

10年間の長期ビジョンの例で、クラレをあげさせていただきたいと思います。

www.kuraray.co.jp

 

会社の有りたい姿を掲げることで、ステークホルダーの皆様への意思表明をし、そのビジョンを達成するために3~5年でやるべきことをブレイクダウンした中期経営計画となっています。

 

また、中期経営計画とはすこし離れてしまいますが、企業の開示情報が変化していきます。 

以前は、財務情報中心でありましたが、非財務情報というものの開示も多なってきました。

日本の有価証券報告書もかわりつつありますが、それ以外に決算説明資料として開示する資料の中に非財務情報が多く含まれています。

近年では、財務情報と非財務情報をあわせて報告するものを統合報告書と呼ばれるものも登場してきました。

↓ユニクロのアニュアルレポートを参考に載せておきます。

https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/pdf/ar2019.pdf

 

では、なぜ非財務情報を重視するようになったのか。

それは、投資家たちの変化もあると考えられます。

 

 近年では、IT投資や研究開発など中長期的な視点を要する項目に着目する投資家が増えて来ている点や、企業のサステナビリティを重視し、短期的な業績に注目するよりも中長期的な成長に期待をする投資家が増えてきています。

また、国連が持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として、2015年9月に「SDGs(持続可能な開発目標」が制定されたことも投資家の考え方に影響を与えたと言えます。

 

これらをまとめると、企業は短期的に利益を生み出すだけではなく、長期的に社会全体にいい影響を与えるものではなければならないと考える投資家が増えて来ているのです。

 

企業の業績だけで計ることはできず、非財務情報の重要性が注目されています。

この考えにおいて重要な単語として、「ESG投資」とさきほどの「SDGs」があります。

 

これらについて、解説をしていきます。

 

 

 

 

中期経営計画のトレンドーEGS投資

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ESG投資は、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指します。特に、年金基金など大きな資産を超長期で運用する機関投資家を中心に、企業経営のサステナビリティを評価するという概念が普及し、気候変動などを念頭においた長期的なリスクマネジメントや、企業の新たな収益創出の機会(オポチュニティ)を評価するベンチマークとして、国連持続可能な開発目標(SDGs)と合わせて注目されています。

出典:経済産業省HP(https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/esg_investment.html

 

このように、近年の企業を取り巻く環境は大きく変化しています。

短期的な利益獲得行動をとるのではなく、長期的な視点で、企業にかかわるすべての物事に対してどのように行動していくのかを考えることが問われているのです。

 

日本では、多くの企業がこの観点を重視しています。

ここでは、ファーストリテーリングを例にあげさせていただきます。

 

ファーストリテーリングは、6つの重点領域として以下の事項を掲げています。

 

①商品と販売を通じた新たな価値想像

②サプライチェーンの人権・労働環境の尊重

③環境への配慮

④コミュニティとの共存・共栄

⑤従業員の幸せ

⑥正しい経営(ガバナンス)

出典:https://www.fastretailing.com/jp/sustainability/vision/priority-areas.html

 

環境(Environment)については、上記①と③の目標が対応しています。

商品パッケージのプラスチックを順次削減することがわかりやすいかと思います。

社会(Social)については、①②④⑤が目標に該当します。

企業に関わるすべての人たちを幸せにすることが目標になっています。

ガバナンス(Governance)については、⑥が該当します。

これは、迅速で透明性のある経営を実現することが目標として掲げられています。

 

ユニクロが掲げている重点目標は、売上や利益、ROIといった従来の数値目標ではないことがわかります。

これらの、非財務目標が企業の成長につながると考えられているのです。

 

 

 

 

中期経営計画のトレンドーSDGs

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持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。

出典:外務省HP

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

 

上記の取り組みについても、日本としては積極的に取り組んでいます。

 

例えば、教育に関して、

日本は、2019年~2021年の3年間で少なくとも約900万人の子供・若者にイノベーションのための教育とイノベーションに関する教育を提供するという持続可能な未来の実現のための「教育×イノベーション」を発表しています。

 

こういった、日本としての取り組みに積極的に企業として参加できる企業、ひいては世界で共有しているこの課題について積極的に取り組む企業が今後は伸びていくと考えられます。

 

まとめ

中期経営計画を現在会社で作成されている方、また中期経営計画を読まれている方はこれらのトレンドを理解しておくといいと思います。

今回特に例にあげているユニクロはESGにおいては世界的に特に評価されている企業です。

 

店内のポスターを見ながら、「そうゆうことなのかー」と考えるものいいかもしれませんね。(よく、プラスチック削減のポスターや難民支援のポスターが貼ってありますよね)

今回は、以上です!

 

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