会計大好き、公認会計士のブログ

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日本の有価証券報告書って各社文章が似ていると思いませんか?

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みなさんこんにちは!fishmanです。

 

さて、本日はタイトルにある通り、有価証券報告書の文書について書いていきたいと思います!

よかったら、最後まで読んでくださいね!!

 

 

 

 

 

 

有価証券報告書ってどうやって作られているか知ってますか?

みなさんが、会社のホームページなどで見ることができる有価証券報告書ですが、

どうやって作成されているか知っていますか?

 

え、ワードで作っているんじゃないの?と思っているあなた。

 

実は、上場会社の99%は、宝印刷株式会社又は株式会社プロネクサスのどちらかの開示作成システムを利用して作成し、EDINETにアップロードして開示を行っています。

 

www.takara-print.co.jp

 

www.pronexus.co.jp

 

全国の会社の使用割合としては、半々くらいな感じがします(完全な私見です)

なお、プロネクサスでは有価証券報告書の作成シェアとしては、54%(2018年3月)と公表しておりますので、残りが宝印刷のシェアと言っても過言ではないでしょう。

 

 

 

会社によって開示内容が違うのか?

確かに、フォントや行間の間隔などは、この2社では違ったりします。

ただ、言葉の使い方は多少変わりますが、内容は変わりません。

 

何故か?

 

開示の内容は法律等で決まっているからです。

 

以前、少しお話したかもしれませんが、日本基準は細則主義(ルールベース)というものを採用しております。一方IFRSは原則主義(プリンシプル)というものを採用しています。

 

細則主義は、言葉の通り、細かいところまで、開示の内容を書くルールが決まっています。

一方、原則主義は、大枠を決めて、個々の企業にあった開示を促すようになっています。

  

 

日本基準は、開示支援会社の開示例によって出来ている

日本の有価証券報告書を見ていると思うことありませんか?

結局何がいいたいの?というような記載ぶり。

全然個々の会社の内容が書いてないじゃん!って思うことあるじゃないですか。

(会社のHPにある補足資料の方がよっぽど会社の実態がわかるやん!って思ったりすることありますよね)

 

それはなぜか。

 

さきほども述べたとおり、日本の有価証券報告書はガチガチに書くことがきまっており、会社の特色を出しづらいのが現状です。

多くの上場企業は、宝印刷かプロネクサスと契約をして、各社が作成している開示例を参考にしながら有価証券報告書等を作成していきます。

 

すると、数字だけが入れ替わったような有価証券報告書がたくさんできる結果になります。

 

それって本当メリットあるの?

 

 

 

細則主義のメリット

作成者側のメリットは、書き方が決まっているので負担感なく作成を行うことが出来ます。開示例は、いわば雛形です。雛形があればいちから文章を考える必要がないですからね。

 

投資家側のメリットは、各企業感の比較がしやすくなります。さきほども言いましたけど、同じ箇所に同じ言葉、数字が入っていると、読んでいる方も『あ、ここと、ここの数字を会社間で比較すればいいだ!』とわかりやすくなります。

 

デメリットは、さきほども書きましたが、企業の特色を出しづらいということです。

僕は、企業の特色を知りたい場合には、会社が別途作成して、自社のHPがなどで公開している補足資料をみたりしています。

 

 

 

コロナで変わる開示の仕方

ただ、コロナにより会計上の見積もりに与える影響について、重要性が高い場合には、見積もりの前提、見積もり方法などを追加情報として開示することが求められています。(追加情報が深く理解する必要はないです。要するに有報に記載する!とここでは理解してください)

 

↓↓以下が企業会計基準委員会の議事録です。

www.asb.or.jp

 

会計上の見積もりについては、減損、繰延税金資産の回収可能性などが影響を受けます。

減損について以前記事を書いておりますので、興味があれば読んで下さい。

 

fishman0306.hatenablog.com

 

つまり、見積もりは将来の状況を概ね予想できる状況が前提となります。

しかし、現状のコロナが流行する状況では自社の状況を見積もることは相当難しいです。

 

でも、今できる最善の見積もりをすることは絶対にしなければなりません。

見積もり次第によっては、会社は減損しないといけないかもしれません。

見積もりの仮定とは非常に重要なのです。

 

見積もりを行う仮定については、各社にとって記載ぶりが異なることが予想されます。

それは、各社が置かれている状況が違うからです。

 

各社の状況を適切に開示することが投資家が判断するためには非常に重要ですからね。

IFRSのように、より各社の状況に応じた開示を求めるようになってきていると言えます。

 

新しい収益認識に関する会計基準が適用されれば、そのような流れは加速していくのではないでしょうか。

 

fishman0306.hatenablog.com

 

会計基準が変われば、会計処理が変わるだけでなく、開示する資料も変化することを覚えているといいかもしれませんね。

 

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

変化していく、有価証券報告書の内容について少しでも参考になればうれしいです。

また、以前に簡単な有価証券報告書の是非読んだほうが良いポイント箇所をまとめた記事を書きましたので、よかったらこちらも読んでくださいね!

 

fishman0306.hatenablog.com

 

今回は以上です!また次回!

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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