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【第1回】収益認識に関する会計基準【2021年4月1日以後適用開始】

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皆さんこんにちは!fishmanです。

本日から、不定期になるかと思いますが、収益認識に関する会計基準を取り上げていきたいと思います!

*私も、勉強は常にしておりますが、状況に応じて基準に関する内容は変化していくと思いますので、誤りがある場合にはご指摘いただけると幸いです。また、記事の中では私の意見の部分も含まれますので、ご留意下さい。

 

よかったら、最後まで読んで下さい!

 

 

 

 

収益認識に関する会計基準とは?

日本にはこの会計基準が整備されるまでは、収益認識に関する会計基準はありませんでした。

確かに、日本には実現主義の原則という売上に関する原則はありましたが、これ以上細かくはありませんでした。

 

また、日本の収益に認識には、昔からの商慣行によって計上されているものも多くあります。

例えば、出荷基準による売上計上です。

これは、商品自体が相手に届いていなくても、出荷をした際に売上を計上してもいいというものです。

そのような日本独自の商慣行などもあるなかで、

以下のような指針のもと、収益認識に関する会計基準の開発が進められました。

 

本会計基準の開発の方針として、国内外の企業間における財務諸表の比較可能性の観点から、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という)の定めを基本的にすべて取り入れることとされています。この結果、収益の認識時期や収益の額等が、従来の取扱いから変更される可能性があります。ただし、適用上の課題に対応するために、個別項目に対して代替的な取扱いが定められています。

出典:https://home.kpmg/jp/ja/home/insights/2018/05/revenue-recognition-commentary-20180515.html

 

この文章からわかるように、個別項目に対して代替的な取り扱いが定められています。

どこかの回で代替的な取り扱いについて詳細を深堀りしようと思いますが、

この中に一定の条件を満たせば出荷基準を認める取り扱いを認めています。

 

基本的にはIFRS15号を取り入れているのですが、日本独自要素も含まれています。

したがって、IFRS15号と完全一致しているかと言えばそうではない点も留意が必要です。(会計士試験とかの論述式問題で出そうですね)

 

 

 

収益認識会計基準はいつから適用されるのか?

2021年4月1日以後開始される事業年度より強制適用がされます。

2月決算の3月決算の会社を例に説明します。

 

このブログを書いている時点では、2020年7月ですので、事業年度は以下のとおりになります。

  • 2月決算の場合

本年度:2020年3月~2021年2月

次年度:2021年3月~2022年2月

  • 3月決算の場合

本年度:2020年4月~2021年3月

次年度:2021年4月~2022年3月度

 

皆さんお気づきでしょうか。

3月決算は、翌年度には適用を開始しなければなりませんが、2月決算の場合には、翌々年度に適用がされますので、注意が必要です。

 

2月決算の場合には1年間の猶予がありますね。

 

 

 

収益認識基準は、ざっくり何が変わるのか?

収益認識基準は、一体何が変わるんだよ!って思う方いらっしゃると思うんですよ。

専門的なこどばで記事を書くと混乱すると思うので、誤解をおそれず簡単な言葉で書いていきますね。

 

  • 収益を計上するまでに5つのステップのルールを決めた。

→この5つのステップでは、売上の単位(1個なのか、それも複数あるのか)、と売上の金額その売上をいつ認識すべき(一括or順次)なのかを決めたものと思っていて下さい。

→これにより、新しい勘定科目として、契約資産及び契約負債という勘定科目が登場することになります。

 

  • 代理販売は基本的に純額で売上計上すべき。

→日本では売上高が多ければ多いほど評価される傾向があります。代理店は、実際に物を打っているわけではありませんので、売上や仕入を計上することはだめですということです。代理店が計上していいのは代理店の手数料収入だけというのがこの趣旨です。

 

  • 割賦販売による売上計上が認められなくなった。

→割賦金の回収期限の到来の日または入金の日をもって売上収益実現の日とすることも認められていましたが、この基準により適用は認められなくなりました。

  • 注記事項などにも変更があります。

*上記は僕が思いつくものであり、まだまだあるかと思います。

 

 

 

実務への影響は?

個人的には、出荷基準が認められたことにより影響度合いは少し軽減された用に思います。

ただし、割賦販売基準にて売上を計上しているような業種については大きな影響があるように思いますし、仕入割戻を販管費に計上しているような企業については大きな影響があると思います。

 

会計基準が変わると、あー会計処理だけ変えればいいのね!って思う方たくさんいらっしゃると思いますが、実際の実務においては、経理部が行う作業は他部署からでてきた資料に基づいて会計処理を行うのです。

 

したがって、他部署から出てくる資料が新しい会計基準に適したものでなければいけないので、会計基準の変更は業務の流れの変更を伴うものであり、非常にやっかいなのです。

 

多くの3月決算の会社では対応が進んでいるかと思いますが、12月決算、1月決算、2月決算の会社ではまだ対応が進んでいないという企業も多いかと思いますので、早めに影響度調査はしたほうがいいような気がします。

 

 

 

簿記検定への影響

これについては、まだまだ読めませんが一番は契約資産及び契約負債という勘定科目が追加されたことかと思います。

 

あとは、仕訳を書くときに、売掛金と契約資産の使い分けなども明確に理解していないと仕訳の問題でミスを連発すると思われます。

 

また、仕入値引、仕入割戻などの処理は実際には、契約負債というものを利用して処理されます。契約負債の金額の計算方法なども新たに規定されていますので試験としては問われやすいのかと思います。

 

理論問題とかでは、割賦販売による売上は認められる的な肢別問題とか出てきそうですね。

 

総合問題とかでは大きな影響はなさそうに思われますが、仕訳を書くような問題では大きな影響があると思います。

 

 

 

まとめ

今回は、ざっくりとした概略を解説しました。

次回以降は、具体的な5つのステップのアプローチの解説や実際に設例として公表されている会計処理を見ていきたいと思います。

 

お楽しみに!

↓↓第2回目はこちらから 

 

fishman0306.hatenablog.com

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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