皆さん、こんにちは!fishmanです!
本日、ご紹介するのは、会計不正の古典中の古典。
循環取引について紹介したいと思います。
なお、古典ではありますが。よく使われている手法ですので、皆さんも押さえて置くといいと思います!
(押さえて、循環取引をするのはだめよ)
よかったら、最後まで読んで下さい!
循環取引のスキーム
さっそくですが、循環取引のスキームをご紹介します。
循環(じゅんかん)と呼ばれていますので、ぐるぐる回る取引を言います。
特徴としては、複数人の共謀者がいて、その中をお金と伝票(=会計残高)が動くだけで、実際に商品は動かないというのが最大の特徴です。
もはや爆弾ゲームみたいなやつですね。
①A社が100円で商品を仕入を行って来ます。
②A社はその100円の商品をB社に110円で売ります。
③B社はその110円の商品をC社に120円で売ります。
④C社はその120円の商品をA社に130円で売ります。
仮にA社をこの循環取引の首謀者としましょう。
この取引で、A社はいくら儲かりましたか?
・・・・
A社は、なんなら赤字(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)(▲20円)
さて、どうしてA社はこの取引を計画して実行したかったのでしょうか。
この取引の動機について解説していきます。
循環取引をやるメリット
この循環取引は、大きくわけて2つの目的を達成することができます。
1つ目は、一時的な資金繰りの改善に寄与します。
つまり、このA社が月末に、100円を払わないといけないのですが、お金が一銭もありませんでした。
業績も悪化しており、金融機関からお金を借りれない状態です。
しかし、月末の直前にこの取引を行い、手形として110円入手し、銀行に手形を持ち込んで割り引くことで現金化をして資金を払う事ができます。
確かに後で、C社から130円で仕入れを実行しないといけないですが、その仕入のタイミングまで資金調達する猶予を稼ぎ出すことができます。
この取引は商品を担保にした借入のようなもので、赤字の利益▲20円は借入利息のようなものと考えられます。
2つ目は、業績の改善です。
日本は、まだまだ根強く売上を会社の業績として捉えることがおおくあると思います。
利益よりも売上を評価するんです。
また、マザーズ市場での上場廃止基準の中に売上高の基準があります。
この売上高の基準を下回ると上場廃止の対象となってしまいます。
また、従業員の評価なども売上に基づいて行われる企業も多くあると思います。
営業成績=どれだけの案件をとってきたかで評価されたりまします。
赤字案件やほとんど利益がでない案件でも、売上ボリュームが大きいと評価されたりする会社も多いかと思います。
この循環取引では、利益はあまり多くはでません。なんなら、赤字のケースもあると思います。ただし、売上高については大きく計上はできると思います。
なお、うまく事業年度末をまたぐように循環取引を行うとその事業年度だけは利益がプラスに見せることもできます。
このあたりについては、監査法人もよくチェックしますし、税務署もカットオフ(期ずれ)についてはよく確認しますので、リスクがあるので、やる企業は多くないと思います。
話はそれてしまいましたが、さきほどの資金繰り対応としては思うに経営者が考えて行うことですが、売上高を大きく見せるのは、経営者だけでなく、営業担当者がノルマ達成のために行うことが考えられます。
勘のいい人は、考えると思います。
確かに、物は動いていないかもしれないけど、お金は動いているじゃん!
なので、特段問題ない取引じゃないの?とう考え方。
そこで、次はこの取引は何がだめなのかを解説していきます。
売上計上の基準に反している
日本では、売上高の計上基準として、実現主義というものを採用しています。
実現主義とは以下の要件を満たしたときに売上を計上してもよいというものです。
- 財貨又は用役の移転
- 現金又は現金等価物の取得
まず、財貨又は用役の移転というもは、実際に商品やサービスを受けました!ということです。(カンタンに言いますと)
受けたあとって、請求書出しますよね?そうすると、会計上は売掛金(=これが現金同等物に該当します)を計上することになります。
この一連の流れが、売上の計上の流れかと思います。
これを循環取引にあてはめていきます。
1.財貨又は役務の移転
まず物を獲得していないので、その時点でだめですよね。笑
ただ、架空に納品書等を発行されてしまって、書類上は商品が受けてしまったりすると財貨(=商品)が移転したことになってしまいます。
また、循環取引で実際に物を動かす!という手段もとるなら、これは問題なさそうですよね。
2.現金又は現金等価物の取得
なお、循環取引でどうやってもこの2つ目の要件を満たさないと言えます。
なぜなら、一旦現金を獲得したとしても、循環取引グループ内で、その現金をまた別の会社に対して支払うことになります。これは単純に現金が通過しているに過ぎないので、実現しているとは言えません。
ここまで、売上の基準に反するためだめと解説してきました。
特に、現金又は現金等価物の取得がだめだと。
でも、2つ目の要件違反を見破るには、この循環取引の構成グループの全容を把握する必要があります。
今回の例示は3社しかないので、わかりやすいですが、実際にはもっと複数の企業が絡んできた場合にはわからない可能性あります。
不正を発見するためには
不正は、本気で隠そうと思っていろいろ人に隠されてしまった場合には、監査法人での発見はほとんどできません。
社内で発見しようと思った時には、
月次でしっかりと取引先の管理や、支払サイトの変化がないかを入念に社内チェックする必要があります。
また、過去の不正紹介でもお伝えしましたが、内部通報制度もしっかりと運用する必要があります。
不正が発見されやすいパターンとして、内部の人間が通報をして、調査をすることによって不正が認定することが多くあります。
内部通報した人を守ることをしっかり会社で行えるように運用することも大事だと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
監査論や監査実務においてこのような不正の勉強は結構したりします。
受験生の方でも論文式で問われる可能性はあると思いますので、勉強されてもいいかもしれませんね!
また、会社の管理部で働かれている方はしっかりとチェックしましょうね!!!
本日も最後まで読んでいただきありがとうございます!
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