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【コロナ】有価証券報告書・四半期レビュー報告書で特別損失が増える理由

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みなさんこんにちは!

fishmanです。

 

本日は、コロナ関連の話題を書いていきたいと思います。

 

タイトルにもある通り、コロナウィルスの影響は、上場企業の有価証券並びに四半期報告書等にも影響を与えています。

上場企業については、コロナ関連の費用を特別損失に計上してOKという基準が発表されています。

したがって、普段は滅多に項目として計上されない特別損失への計上がこの一年間は増えてくるのではないかと思います。

そもそも、特別損失って何?というところから、特別損失に計上できるコロナ関連費用について書きますので、よかったら最後まで読んで下さい!

 

 

 

損益計算書の作りを確認しよう

fishman0306.hatenablog.com

 

以前ブログでも紹介しているのですが、損益計算書については、段階損益という概念があります。

 

会社の事業の収益性を表す営業利益や経常的な収入を表す経常利益、最終的に会社の純資産に振替られる税引後当期純利益などがあります。

詳細は、上記のリンクから確認してください!!

 

この段階損益については、会社から投資家に向けてのメッセージでもあるんです。

 

うちの会社はこんだけ、経常的に収益発生してますよ!ビジネスとしても利益出してますよ!

 

ですから、会社に投資をお願いします!

 

という流れなのです。

 

したがって、当期純利益に与える影響は一緒ですが、段階損益のどの項目に計上されるかはとても重要なのです。

 

では特別損失とは損益計算書の中でどのような位置づけなのか見ていきましょう。

 

特別損失は、臨時的に現れる

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特別損失は、経常利益のあとに計上されます。

特別損失の定義は以下のとおりです。

企業会計原則注解注 12 において、特別損益の内訳に臨時損益があげられており、

「特別損益に属する項目であっても、金額の僅少なもの又は毎期経常的に発生するものは、経常損益計算に含めることができる」

とされている。

 

要約すると、臨時的かつ多額の費用ということになります。

 

このことから、わかることは計上されると会社の損益にとんでもなく重要な影響を与えるんだなーということになります。

 

ただし、一つ見方を変えればこうも言えると思います。

 

臨時的なので、来年は発生しないよ!ということです。

膿を出し切って、来年は盛り返します!といえると思います。

 

投資家の方々は、比較的長期的な視点をもって会社の数字をみていると思います。

 

したがって、金額的には下がってしまったが、営業利益率や経常利益率が下がっていなければ引き続き会社に投資をしようと思えると思います。

 

臨時的な項目を排除した後であれば、営業利益率や経常利益率の分析がしやすくなりますので、投資家の意思決定に寄与できると言えます。

 

なので、コロナ関連の費用を特別損失にもっていくことで、臨時性を表すことができるのです。

 

今回のように、特別損失に計上したとしてもコロナに関する費用です!と説明できてしまう状態であると、次のようなことを考える人がでてきます。

 

段階利益を粉飾する

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営業利益や経常利益によって会社の価値を考えている投資家はたくさんいると思います。

そのような投資家に気に入られるために、上記の図のようなことを考える人がでてきます。

 

コロナに乗じて、一部費用を特別損失に振り替えてしまおう。

 

これだけで、簡単に利益率が改善してしまいます。

 

ただし、上場企業には監査受ける義務があります。

監査法人は必ず多額のものについてはチェックすると思いますし、会計士協会も特別損失ついては留意することを公表しています。

 

したがって、関係のない費用が特別損失に経常されることはないと考えられます。

 

それでは最後にコロナ関連費用として計上できるものをみていきましょう。

 

 

特別損失に計上できるコロナ費用について

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もっとも重要な前提条件として、政府・自治体による自粛要請により影響を受けたものに限ります。

自粛要請に関係ないものは、特別損失には計上できないのです。

 

具体例としては、3つあがってました。

 

お店の営業停止期間中の固定費

これは、営業停止しているにも関わらず発生する従業員の給与ですとか、電気代などの基本料金などの固定費になります。

したがって、営業自粛前や、再開後の費用については、特別損失にならないと考えられます。

イベントの中止費用

会社の事業説明会や、商品のPRイベントなどが、中止になった場合の会場費用などを特別費用に計上することができます。

真っ先にイベントと聞くと音楽イベントを思い出しますが、

一般事業会社も自社の商品をPRするために様々なイベントを開いています。

それらの費用を特別損失として計上してもいいとなっています。

工場の異常な操業度低下による影響額(操業度差異)

多くの製造業については、原価計算上標準原価計算によって原価計算をされていると思います。

この標準原価計算は、基本的には当初決まった標準原価に基づいて日々の原価計算を行います。その後実績が固まった後に、実際確定額と標準原価との差額を差異として認識し、会社の原価計算を行うのです。

 

この操業度差異とは、当初の計画していた操業と実際に稼働した操業度を比較して、操業度が標準よりも増えていた場合には、操業差異は有利差異となり原価の金額にいい影響を与ます。その一方で、当初の計画よりも大幅に操業度が下がった場合には、マイナスの影響として原価にプラスされることになります。

 

この大きくマイナスになった操業度差異を原価に含めるのではなく、特別損失に振り替えていいということなります。

そうすることで、原価率に臨時的な影響を反映させずに住みますので投資家の意思決定に資するものと言えます。

まとめ

続々と決算発表がされていますね。特に影響が大きいのは、3月決算の1Q時の開示で結構ニュースになるのではいかと思ってます。

また、今後は感染の第2派がおこった場合にも計上される可能性があります。

 

有価証券報告書や四半期報告書など見たことがない人は上場会社のIR情報で確認するか、EDINETで確認してみてくださいね!

https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

 

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます!

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