皆さんこんにちは!fishmanです。
今回はタイトルにある通りに、大法人の電子申告が義務化されました。
内容について見ていきましょう!
よかったら、最後まで読んでくださいね!
大法人の電子申告が義務化されいました
電子申告を義務化することにより、申告業務の利便性の向上を目的としています。
また、紙の申告書だと、法人事業税の申告書には別途財務諸表等を添付する必要があったのですが、電子申告であれば添付不要になります。(提出先が一元化)
これ以外にも以前にはなかった、勘定科目明細や財務諸表のCSVによる提出も可能になりました。
この大法人の電子申告の義務化は、2020年4月1日以後に開始する事業年度より適用されます。3月決算の会社が一番適用が早くなりますのでご注意ください。
今回の場合には、大法人が電子申告を行う場合には以下のリンクの届出書を提出する必要がありますので留意が必要です。
提出が必要なケースは以下の場合です。
①:2020年3月31年以前に設立した会社で、2020年4月1日以後に最初に開始する場合
⇒事業年度開始から1ヶ月以内
例)2021年9月決算の場合
⇒2020年10月末が提出期限になります。
②:増資して資本金が1億円超になった場合
⇒超えた日から1ヶ月以内
③:設立時の資本金が1億円の場合
⇒設立日に提出
忘れやすいと思いますので、忘れないように。
対象の法人と対象書類について
前段で少し触れてしまいましたが、対象法人は、主に資本金の額が1億円超の会社がメインです。
つまり、1億円ピッタリの会社は今回は対象外です。
また、申告対象となる税目は以下の通り。
・法人税及び地方法人税(国税)
・消費税及び地方消費税(国税)
・法人住民税(地方税)
・法人事業税(地方税)
⇒法人が決算時に申告しているものは、だいたい電子申告の対象と考えればいいと思います。
じゃあ、もし法人電子申告が義務の法人が紙により確定申告書を提出した場合ってどうなると思いますか?
次のセクションで説明したいと思います。
電子申告以外の申告をしたら
大法人で電子申告が義務化された法人が、
確定申告書は紙を郵送や窓口で提出した場合には、税務署側では、
受け取らないという選択肢を取ります。
郵送とかで送って、よし提出完了だ!と思っていたりすると、期限後にまだ申告されて
いませんという連絡が来て頭真っ白になると思います。
期限内に申告ができないと、無申告加算税というペナルティが与えられます。
納付金額が50万円までは15%で、納付金額が50万円超であれば20%取られます。
また、二年連続で無申告加算税の対象となると、青色申告が取り消されます。
青色申告を取り消される一番のデメリットは、今までの繰越欠損金がすべて消失する点です。
繰越欠損金とは今までの赤字の累積です。
設立当初は赤字だったけど、そのうち黒字になってくると思います。
黒字のタイミングで、累積していた赤字を相殺することで課税所得が低くなり税金が安くなります。
したがって、この未使用の繰越欠損金を一気に失うことになるとかなりの損失です。
義務化したけど、税務署のことだから紙で提出しても大丈夫っしょって思っているあなた。
電子申告の準備をするべきですよ。
ここまで、読んで思った人いると思うんですよね。
大法人って、すぐれた経理マンがたくさんいるのに、なんで電子申告しないの?
中小企業だって電子申告しているよね
わざわざ義務化する必要ってあるの?って思う人たくさんいるとおもいます。
次に大法人の電子申告の利用具合と電子申告に踏み切れないハードルについて解説していきたいと思います。
電子申告の利用が少ない理由
少し、古いデータにはなってしまいますが、大法人の電子申告の利用割合は、なんと56.9%。
約半数の大法人しか電子申告は利用していないんです。
また、ここで私の想定ですが、確定申告書時代の作成はパソコンやシステムを使って作成していると思います。(そこを手書きでやるはずはないと思います。。。笑)
なぜ申告のみを紙で提出しているのか?
申告業務を経験したことがある僕が理由を解説していこうと思います。
申告環境の整備の問題
大法人であると、税理士事務所に代理申告をお願いせずに自社で申告を行っている会社は多いと思います。
その場合には、e-tax上で利用者識別番号をとり、電子証明書を取得する必要があります。
- 商業登記認証局が発行する電子証明書
- 地方公共団体が運営する公的個人認証局が発行する法人代表者に係る電子証明書
- その他民間認証局等が発行する電子証明書
このように、電子申告をする場合には、電子証明書の発行が必要になります。
別途カードリーダーなども用意する必要があります。
申告自体は、e-taxのソフトが無料で国税庁が提供しているので、新たに用意する必要はないですが、あまり使い勝手がよくないので、別途ソフトを用意して申告をする場合もあります。(NTTデータが開発している達人シリーズとかが有名です(https://www.tatsuzin.info/))
中小企業と違って、大法人の場合には色々な部署の確認や承認を取る必要があり、簡単じゃないと想定されます。
申告環境を整備するのにも時間が取られるので、それなら紙でいいじゃんという結論に達していると思われます。
明細作成の問題
今回の電子申告の義務化により勘定科目明細の様式に変更が加わり、簡素化されました。
また、今回からCSVによる提出もOKになりましたので、非常に作成がしやすい環境になったのではないかと思います。
↓様式は以下のページにあります。
以前までは、申告ソフトで明細を作成する必要があったため、非常に作成がめんどくさかったです。
したがって、別途エクセルなどで勘定科目明細を作成している企業が多かったと思います。
エクセルで作成したものを紙に印刷して別途添付するパターンです。
また、電子申告で送信できる容量も少なかったため、使い勝手がよくなかったのも理由の一つかと思います。
今回の改正で電子送信できる容量も増えましたし、科目明細のCSV化、財務諸表のCSV化も認められたため、電子申告用の書類の作成は容易になったと言えます。
業務フローの変更問題
大法人は業務をかなり高度なレベルで分業化しているケースが多いと思います。
電子申告を行うだけでも、業務フローの変更を余儀なくされますので、やりたくないというのが本音だと思います。
業務フローを変更する場合には、影響がある部署や承認フローを1から考え、社内に伝えなければなりません。
日頃忙しい経理からしたら、負担増になります。
大法人ほど今までのやり方を変えるのに苦労しますので、紙でいいなら、それでやればいいじゃんというのが今までの考え方なのではないでしょうか。
以上の理由から電子申告は利用が増えていかなかったと思います。
まとめ
このブログは、従来のやり方から変化して、より業務が効率化する流れを結構お伝えしているのではないかと思います。
国が主導でやっていく分野も増えてくると思います。
年末調整の業務も是非電子化を義務化してほしいものです。
国が無料でソフトウェアを提供して、電子上で年末調整ができる仕組みを提供したらその政権に僕は一生ついていきます。笑
(今もありますが、値段が結構高いですからね)
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