こんにちは!fishmanです!
本日は、減損会計について書きたいと思います。
大体、不景気のときに新聞記事に現れるのは、『減損』という二文字。
減損はとりあえず、不景気のときに現れるからとりあえずあんまりよくないことなんだろうなって思っている人はいると思います。
じゃあ、減損って一体どんなプロセスで会計上計上をしているか説明できる人はいるでしょうか?
この記事を読めばざっくりですが、減損についてわかるようになると思います!
よかったら最後まで読んでくださいね~
減損会計の目的
財務会計の主たる目的は、会社の利害関係者への報告にあります。
したがって、会社の業績予測や、将来事項を利害関係者が正しく理解し、将来を予測できるような情報を報告する必要あります。
ちなみに以前、このブログで財務会計と管理会計の違いも書いたので興味があれば読んでみてください。
したがって、財務会計では、将来に損失が見込まれる費用などは早めの段階で会社処理を行い、会社の株主や銀行などの利害関係者にお伝えるする必要があります。
自分の日常に置き換えるとわかりやすいかもしれません。
1ヶ月後のカードの支払ができない。。。まずい
そんな時、ギリギリになって誰かに頼ってもどうにもならないかもしれないけれど、その事実がわかったときすぐに、誰かにお願いすればどうにかなるときってありますよね?
会社で、大きなミスをしてときに、そのミスを大勢の人にバレるよりも前に信用できる上司に相談して対処してもらったときってありますよね?
会計の原則として、保守主義の原則というものがあります。
費用は、発生可能性が高くて合理的に発生金額が見積ることができるなら、早めに計上しましょう!というものです。
引当金とかもこの原則に基づいて計上しています。
減損会計は、会社が行った投資額について、
回収ができなくなる金額を見積計上をするものになります。
固定資産や、金融商品(有価証券とか)が減損の対象になります。
減損は、たしかにあまりよろしくないものですが、事実を隠されてしまってある日突然、どかーんと費用計上されるよりはいいですよね。(最悪倒産の可能性もありますし)
減損をしっかりと計上できる会社はすごくいい会社だと思います。
減損に対してそうゆう見方もあってもいいと思いますよ。
何か隠しごとする人よりも、正直に話す人の方が好感もてますよね。
今回は、減損の会計基準の適用対象である、
有形固定資産の減損について、
実際の計算プロセスについて説明していきます。
減損会計のステップ
減損会計のステップは、4ステップに分けられます。
個別のステップの説明に行く前に全体像の説明をします。
減損の計上金額は、すべての資産に対して減損を検討しているわけではありません。
①は必ず実施しますが、②~④については、基準を超えてしまった場合に順々に行われます。
②~④はフィルターだと思うといいかもしれません。
続いては個別の内容について触れていきたいと思います。
①グルーピング
会社は、数々の固定資産を保有しています。
以前も話をしたかもしれませんが、その固定資産を使用して会社はお金を稼ぎます。
減損を評価する上で、そのお金を稼ぎ出す単位ごとに評価をします。
(基準では、独立してキャッシュフローを生み出す最小単位とか言ったりします)
なお、この稼ぎ出す単位の決め方は様々ありますが、
一番わかり易いのが小売業の場合ですね。
スーパーとかであれば店舗ごとに減損の評価をします。
製造業であれば、工場単位とかですかね。
決め方については、考えれば色々ありますので、会社の実情にあったものを決めています。
そして、大事なのが、一度決めたグルーピングは、毎期継続が大原則です。
会計を勉強すると、大原則として継続性の原則というものがあります。
つまり、継続して同じものを使わないと比較もできないですし、業績によって会計処理を変えるとそれは不正会計ですからね(笑)
利益が多いときは、費用を多く計上し、利益が少ないときは、費用を少なくしようなって処理をコロコロ変えていたら、実態がわかりませんからね。
グルーピングは毎期一緒というのが原則とおぼえていてください。
②兆候判定
ここからが、毎期会社が検討するフェーズになります。
兆候判定とは、減損の計上の気配がするかどうかということです。
したがって、ここで気配がしないであれば、減損の話はここで終わりです。
基準では以下の4つが定められています。(減損会計基準二1)
- 資産又は資産グループが使用されている営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが、継続してマイナスとなっているか、あるいは、継続してマイナスとなる見込みであること。
- 資産又は資産グループが使用されている範囲又は方法について、当該資産又は資産
- グループの回収可能価額を著しく低下させる変化が生じたか、あるいは、生ずる見込みであること。
- 資産又は資産グループが使用されている事業に関連して、経営環境が著しく悪化したか、あるいは、悪化する見込みであること。
- 資産又は資産グループの市場価格が著しく下落したこと。
上記を説明し始めると、ブログ文字数が1万字を超える可能性があるので、割愛しますが、わかりやすいのは、1と4ですかね。
1については、営業活動から生じる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスとありますが、これは、概ね過去2期間になります。
ただし、新規事業などの場合にはマイナスになりやすいので、2期間がマイナスだからと言ってすぐに減損の兆候がある!とはなりません。
この場合には、事業計画と照らして兆候があるか判定されます。
4が今ホットな話題だと思います。
コロナです。
コロナの影響で業績が好調の企業もあれば、そうでない企業もありますよね。
もともと、あまり事業として好調でなかったのが、コロナで先行きが見通せなくなって減損ってこともありまえます。
ニュースを要チェックですね。
ただし、コロナだからすぐに減損ってなるわけではなく、あくまで兆候があるってことがポイントです。
③認識判定
続いては、コイツは減損の気配がある!と決定されたものが、実際に減損を計上するか考えるねってフェーズ。
このフィルターを通ってしまったものが、最終的に減損の金額を計算されることになります。
数字比較の計算式は以下の通り
①:資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フロー
②:固定資産の帳簿価格
③:①<②となってしまった場合に、測定に次のフィルターに移ります。
割引前将来キャッシュフローの言葉の意味は、一旦おいてください。
つまり、将来獲得できるお金が、現在の固定資産の帳簿価格よりも少ないのであれば、それは減損だね!っていう評価になります。
このキャッシュフローを見積る期間は、グルーピングした資産のうちの主要な資産の経済的残存耐用年数と20年のいづれか短い期間内で見積もることとされています。
経済的残存耐用年数は、企業が見積もった資産が使える残りの年数です。
実務で減価償却の計算とかをする場合には、法定耐用年数という税務上決まった耐用年数を使いますが、ここでは違いますのでご注意ください。
以前、減価償却費について書いていますので、気になる方はチェックしてみてください。
結構この辺のフェーズから、監査法人とバチバチにやりあうことになるんですよね。笑
見積会計って、ある種、事実ではない会計処理なんですよね。
会計って大概は現金預金が動くので納得できるのですが、
見積会計はあくまで会社が保守的に行う部分であり、企業によって差がでてしまう部分なので、監査法人の目も厳しいわけです。
ここで、帳簿価格よりも割引前キャッシュ・フローが多くなってしまった場合には、
減損しますので、金額を計算しますというフェイズになります。
④測定
認識のフィルターにひっかかってしまった資産達については、減損金額が計算されます。
計算方法としては、
回収可能額まで帳簿価格まで減額し、その減少金額が減損損失
となります。
じゃあ回収可能額ってなに?ってなるのですが、簡単に説明します。
回収可能額としては2種類となります。
①正味売却価額
②使用価値
①は、資産の時価から処分見込み費用を控除したものです。
②については、その固定資産を使用し続けた場合に得られる収入となります。
この、①と②を比較したときに、大きいほうが回収可能額となります。
①のほうは、なんとなくわかりそうな気がしますよね。
使用価値については、さきほどの割引前キャッシュフローを
資産又は資産グループの固有のリスクを反映させて収益率(=割引率)で割り戻して、現在価値を出して算定されます。
・・・・もはや日本語でOKって感じなので、正直理解しなく問題ないです。笑
最後の計算としては、以下の計算式を使って、計算が行われます。
帳簿価格- 回収可能額=減損損失
まとめ
減損損失を計上するために、判定フィルターを通して計算がされていることがわかればOKです。(詳細な計算方法は無視でOKです)
コロナで、減損が増えるかも?!って思いますが、
減損の兆候判定の箇所でひっかかってくる企業は確実に多くなると思います。
しかし、その後の認識判定では将来キャッシュ・フローによっては減損損失が計上されないケースもでてくるとは思います。
ただ、
個人的な感想では
どうやって将来キャッシュ・フロー見積もるんだ!!!
問題に発展しそうですよね。
1年後のことすら、わからないですよね。実際。
少しでも会計に興味をもって頂けたらうれしいです。
本日は長くなりましたが、以上です!
本日も最後まで読んでいただきありがとうございます!
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