会計大好き、公認会計士のブログ

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簿記の試験で出てくる売買目的有価証券は実務ではレアキャラ

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こんにちは!fishmanです。

みなさんが、簿記の問題を解いていてよく出てくる勘定科目ありますよね?

出てきたら、確実に得点源にしたいあの勘定科目。そう。

 

 

売買目的有価証券

 

出てきた瞬間に、時価評価すればいいんでしょ?とか惰性で解いて、実は減損しないといけなかったって~~~~って間違うあいつですよ。

*減損は、一級と会計士試験ではよく出るんですよ。

監査法人に入って、驚いたんですよ。

コイツ実務で全く出現しないやん!!!!

 

実務界ではちょいと悲しい勘定科目である売買目的有価証券くん。なんで、実務で登場しないのか?今日は解説していきたいと思います。

 

 

 

 

 

売買目的有価証券の自己紹介

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おれの名前は、売買目的有価証券

あだ名は、得点源って呼ばれてる。なんでかは、知らないんだよ。

好きなことは、時価の値上がり。

嫌いなことは、時価の50%減。

ちなみに親友は、その他有価証券なんだ。

でもあいつだけ評価差額が、純資産に入りやがる。

おれの評価なんて、すぐに損益計算書行き。

おれの評価はすぐに決まっちゃうんだ。

そんな俺だけど、今日こそ満期保有目的債権のサイコちゃんにLINEを聞こうと思うんだ。

あっ。いけねいけね。債権じゃなくて、債券だった。よく間違えちゃうんだー。

これもおれが嫌われる要因なのかな?てへ。

よーし今日も一日がんばるぞっと。

 

100日後に彼は強制評価評価減されるのであったが彼は知る良しもなかった~

 

有価証券の簡単な説明

さて、金融商品の会計基準上、保有目的ごとに以下の4つに分類されます。

(当然、前述の訳のわからない紹介はスルーしていくスタイル)

・売買目的有価証券

→時価評価。よく、簿記検定で出てきます。

 

・満期保有目的の債券

→償却原価法で評価。一番間違いやすいのは、漢字。

 債権✕

 債券◯

簿記の試験で、漢字問題が出てくるのはこれ。勘定科目を記載する問題でこれを間違えて不合格になったら、目も当てられませんね。(とにかく恥ずかしいやつです)

間違えた人は、ジャポニカ学習帳を買って、漢字練習してください。

僕は死ぬほど受験生時代に書きました。

・子会社・関連会社株式

→取得原価で評価。連結や持分法が絡んでくると結構存在感が出てきます。

・その他有価証券

→時価評価で、評価差額は純資産に計上する。なんで、純資産に計上するかは、会計士試験やら、税理士試験で、会計理論を勉強する人だけが知っていれば良い知識ですね。

あと、その他ってついているのに、実務ではよく見ます。なんでよく見るかは売買目的有価証券がレアキャラであることと関係しています。

 

 

 

 

売買目的有価証券は容易には使えない?

売買目的証券について金融商品の会計に関する実務指針に以下のように定義されています。

売買目的有価証券とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券のことをいいます。
「時価の変動により利益を得ることを目的として保有する」とは、短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有することをいい、通常は同一銘柄に対して相当程度の反復的な購入と売却が行われるものをいいます。したがって、売買目的有価証券とは、いわゆるトレーディング目的の有価証券を指します。
企業が保有する有価証券を売買目的有価証券として分類するためには、有価証券の売買を業としていることが定款の上から明らかであり、かつ、トレーディング業務を日常的に遂行し得る人材から構成された独立の専門部署(関係会社や信託を含む)によって売買目的有価証券が保管・運用されていることが望ましいとされています。
もっとも、定款上の記載や明確な独立部署をもたなくても、有価証券の売買を頻繁に繰り返している場合には、当該有価証券は売買目的有価証券に該当することになります。
売買目的有価証券は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理します。

(上記は、金融商品に関する実務指針65項から参照してます)

まず、勉強していてトレーディング目的っていうのはなんとなく理解すると思うです。

ただし、科目として売買目的として分類するには次のハードルがあるんです。

 

有価証券の売買を業としていることが定款の上から明らかであること。

トレーディング業務を日常的に遂行し得る人材から構成された独立の専門部署があること。

 

もっとも~の箇所で、上記がなくても頻繁に繰り返していれば使用してOKってなってますが、通常の判断は、①と②で行うと思います。

僕の短い監査経験のお話なので当てにならない部分もありますが、一般事業会社でこの科目がでてくることはまず無いです。有価証券を短期的に売買しまくる会社なんてまずないです。(財テクやってないで、本業に注力セイッってお話です。)

 

その他有価証券がよく出てくる理由

その他有価証券の定義が、売買目的、満期保有目的の債券、子会社及び関連会社株式以外となっています。したがって、通常会社が銀行とかに進められて購入した株式は売買目的に該当しないケースが多いのでその他有価証券で処理します。あと、多いのは業務提携とか協力関係上のお付き合いなどで株式を保有するケースです。

まとめると、定義上汎用性が高いので、よく出てくるんですわ。

 

まとめ

簿記検定試験を頑張って合格し、いざ実務についた!という時に勘定科目に違和感を覚えることってよくありますよね。僕もかなりあります。

売買目的有価証券もその1つです。

簿記検定を勉強されている方にとって実務のお話もイメージできるようになるような記事を今後も書いていこうと思います。

 

あっ、途中にでてきたキモいやつは、僕がパソコンのペイントで書いたやつです。

新の会計好き(変態)は、勘定科目にキャラクターをつけるんですよ?知ってました?

 

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100日後に死ぬワニは、最終話だけ見たタイプの人間です。

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