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【簿記2級】連結会計のイメージをつかもう

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皆さん、こんにちは!fishmanです。

今回は、日商簿記の2級で連結会計のイメージを皆さんに掴んでもらうべく記事を書きました!

 

仕訳は一切登場しません(ご自身のテキストを見ておくれ!)

仕訳を登場させると、簿記の学習ブログ間が増すのでやめてます。

コラム的な感じで楽しんでもらえると嬉しいです。

 

 

 

 連結決算とは何か?

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連結決算とは

連結決算とは、親会社と子会社から構成される企業集団を一つのグループとして、法人格が違う会社が個々に作成している財務諸表を合算して、グループ全体の財務諸表として作成する決算のことを指します。その時に作成される財務諸表のことを連結財務諸表と言います。また、連結決算を組む場合に次の点に留意が必要です。

連結決算日について

連結会計年度は、通常の決算と同様で1年間と定められています。その中で連結決算日について、親会社の決算日が連結決算日となります。実務的には子会社の決算日と親会社の決算日を同じにするケースが多いと思います。(簿記の問題でずれてるケースを出してくるのは、会計士試験くらいよ。本当性格が悪い

 

 会計方針について

連結財務諸表を作成する場合には、同一環境下で行われた同一の性質の取引等については、親会社と子会社が採用する会計方針を原則として統一しなければなりません。ただし、合理的な理由がある場合や、当該採用の不一致について重要性が乏しい場合には、不一致のままで認められます。実務的には合わせるケースが多いと思います。

合わせないと、決算大変ですからねー。 

連結決算で対象となる子会社の範囲について

連結決算を行う子会社の範囲については次の2つの基準にて判定を行います。

持株基準

持株基準とは、子会社の議決権を過半数所有する企業について連結の範囲に加えるものを指します。

支配力基準

子会社の議決権が過半数を所有していなくても、財務や経営の方針を実質的に支配していれば、連結の範囲に含めるというものです。例えば、役員の過半数について構成している場合などが考えられます。

 

なお、上記の2つの基準を満たしたとしても、連結子会社として連結決算の範囲に含めない場合があります。それは以下の要因になります。

・支配が一時的であると認められる企業

・連結することにより利害関係者の判断を著しく誤らせるおそれのある企業

・重要性の乏しい小規模企業

 

連結除外していることは、有価証券報告書とか読んでいると上記の3つの理由のどれかを記載しているパターンが多いと思います。

 

連結決算を実際にやってみると

大きく分けると、2つの工程になります。

  • 連結決算については、各子会社が作成した財務諸表について単純合算します。
  • 合算した財務諸表のうち、内部取引、内部利益の相殺消去を行います。

このうち、②内部取引と内部利益の相殺消去について詳しく解説していきたいと思います。

内部取引と内部利益の相殺の必要性について

連結財務諸表は、各子会社の財務諸表を合算することで作成しますが、最初の合算時点では親会社と子会社との取引、子会社同士の取引は各子会社の財務諸表に記録されたものがすべて合算されます。しかし、連結財務諸表上は、親会社と各子会社は1つのグループ単位として財務諸表を作成するため、連結グループ内での取引はすべて消去する必要があります。なお、説明上子会社については持株比率100%で説明します。

投資と資本の相殺消去

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投資と資本の相殺

親会社の子会社に対する投資(親会社側で子会社株式として計上)と子会社の資本(子会社側で資本金及び資本剰余金で計上)としているものについては、連結グループ内では、内部取引に過ぎないため、相殺する必要があります。仕訳上は、親会社が計上している子会社株式と子会社側の資本金及び資本剰余金を相殺消去することになります。

 

親会社と子会社間の取引の相殺

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まず、連結会計で知っておきたいこととして、利益や損失がどの時点で確定するのか?というこです。答えは、グループ外の会社と取引した時です。上記のB社とN社が取引をした時にA社グループとして利益が確定します。

 

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この、グループ内の取引を相殺消去します。よく、不正の手段として子会社を使って利益を増やそうと考える人いますが、連結上では子会社との取引は相殺消去されますので、子会社といくら決算日前に取引を増やしても意味ないですよね。

未実現損益の消去

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まず、未実現利益の消去とは、利益が実現していないものを未実現と基準では表現しています。上記では、利益が実現しているイメージの表になります。

Z社からA社が商品を仕入、A社がB社へ利益を付して販売しています。そして、B社がN社に販売をしております。ここで、A社とB社の取引は相殺されます。結果として、Z社から仕入を行った物を、N社に販売したという流れになります。

 

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次に、未実現利益が発生するパターンです。結論は、Z社から仕入たものを連結上で在庫計上できればOKです。手順は2つです。

①A社とB社間の取引を相殺すること。

②B社で棚卸資産となっている物のうち、A社が付した利益を消去すること。

まとめ

連結会計苦手やなーって方がたくさんいると思います。そんな方は内部取引がなかった場合の取引をイメージすることが大事です。あとは、問題を解きまくり、仕訳を切りまくることです。問題パターンは限られてますので、仕訳パターンはほぼ同じ。

連結出てきたら満点だわーって思えると良いですね。

ちなみに、2級レベルだと子会社が一社ですが、会計士試験レベルになると子会社が無限に増えます。(答練で6社くらいの連結を解いた気がします)上を目指されている方は、頑張って理解してくださいね!笑

 

参考書籍

スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第12版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

 

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